先日、フジテレビの「テラスハウス」に出演中だったプロレスラーの木村花さんが、ネットでの中傷を苦にして自殺するという痛ましいニュースがありました。

ネットでの中傷はその匿名性のため、中傷がエスカレートしやすいという特徴があります。

ネットでの中傷が他人に対して具体的に損害を与えた場合、民法の不法行為の規定により、投稿者は損害賠償責任を負うのは変わりありませんが、投稿者の特定が困難なため、難しいのが現状です。

ネット中傷への対策として、現在でも「プロバイダ責任法」というものがあり、プロバイダへの投稿者情報の開示請求が認められています。
プロバイダへの開示請求を行い、その開示請求にプロバイダが応じない場合、投稿者に代わってプロバイダが責任を負うというものです。
あわせて、プロバイダが開示に応じた場合には、プロバイダは免責されることで、プロバイダが任意開示に応じることへの動機づけする内容も含まれています。

しかし、プロバイダが任意開示に応じない場合、プロバイダへ損害賠償請求訴訟提起し、その訴訟で勝訴する必要があり、通常の不法行為に基づく損害賠償請求訴訟と同様の立証責任を負う必要があります。

また、海外にサーバを設置している場合、プロバイダを運営する会社自体を海外に置くケースが多く、プロバイダが開示に応じなくても、それを裁判で強制することが困難なため、結局泣き寝入りしてしまうことになっていました。

そこで、ネット中傷に関して、プロバイダに開示を命じる簡易な裁判手続きを創設して、迅速な被害救済を図ることができるようにするとのこと。

また、プロバイダが任意に開示しやすくする方策も合わせて検討するとのことです。

これで被害者救済の道が開けることを期待したいと思います。



 総務省は25日、インターネット上で誹謗中傷を受けた被害者が投稿者を特定しやすくするための制度改正に向けた有識者会議を開き、投稿者の情報が迅速に開示されるよう新たな裁判手続きの創設を検討する方針を示した。現在はサイト運営者やプロバイダーに開示請求訴訟を起こさなければならないケースが多いが、より簡易に裁判所の決定を受けられる仕組みを考える。

 裁判なしで事業者から任意の開示を受けやすくする方策も検討。総務省は7月に改正の方向性を取りまとめる。

 この日の会合では新たな手続きを設ける方向性では一致した。有識者から「発信者の主張機会確保の必要がある」との指摘も出た。
2020年6月25日 20時7分 共同通信