民法上、未成年者は制限行為能力者として、単独で有効に契約を締結することができません。
つまり、未成年者が不動産の売買契約を締結するには、法定代理人(通常は親権者)が何かしらの方法で契約に関与する必要があります。

法定代理人が関与する方法としては、次の2つがあります。
① 法定代理人が未成年者を代理して契約する。
② 未成年者がした契約に法定代理人が同意する。

この法定代理人ですが、両親が婚姻中の場合、両親が揃って代理または同意する必要があり、一方のみの代理・同意では足りません。
また、未成年者が養子に入っている場合、養親が親権者となっていることがありますので、契約の締結にあたっては、戸籍謄本を求めるなど、親権者を確実に把握してから行う必要があるでしょう。

売買契約時は未成年だったが、不動産決済時(代金支払い・所有権移転日)は成年に達している場合でも、売買契約が法定代理人が代理して締結されている限り、契約は完全に有効です。
仮に未成年者であった本人が、成年に達した後に「そんな話は認めない」と言い出しても、本人は法定代理人が締結した契約に拘束されることになります。

例外的に、法定代理人が親権を濫用しているケースで、相手方がそのことを知っていた場合または知ることができた場合には、本人は契約の無効を主張できます。
親権の濫用とは、子供名義の不動産を売却し、その売却代金を親権者が着服する等の目的をもって行った行為を指します。

なお、売買契約の締結は、未成年者が単独で行うことのできない行為とされていますが、登記申請行為は未成年者が単独で行うことが可能です。
これはすでに成立した法律関係を、具体的に履行する行為であるためです。
印鑑証明書はたいていの市町村では15歳程度から発行を受けることができるので、印鑑証明書の発行を受けることができる限り、未成年者も有効に登記申請の当事者となることができます。
ただし、未成年者自身が司法書士への委任状を単独で作成できるわけではありません。
この場合、登記申請委任に関して、法定代理人の同意を要します。

次に、売買契約時は未成年だったが、不動産決済時は成年に達している場合です。
この場合、本人が登記申請を行うことができることは明らかですが、親権者だった人も申請人となれるのでしょうか。

登記申請の委任状がいつ作成されたかにより、結論が異なります。

委任状が作成されたのが、本人が成年に達する前であれば、登記申請が本人が成年に達した後も可能です。
これは登記申請代理権の不消滅という考え方で、不動産登記法第17条に定めがあります。

一方、本人が成年に達した後に親権者だった人により作成された委任状は、法定代理権消滅後の代理行為となるため、無権代理として無効となり、これによる登記申請はできません。

なお、一般的な不動産取引の場合、委任状は不動産決済時に作成されるものであるため、登記申請代理権の不消滅が問題になることはないでしょう。